六孔簫

洞簫はずっと八孔の物を吹き慣れて来たが ここへ来て六孔の物を
使ふことにした

洞簫は元々は六孔であったのが 近代に八孔になった
近代の楽曲を吹きこなすための技術改良からであらうが 副次的に
指孔が抑へ易くなったのは大いなる利点だと思ふ
伝統曲の多くは 六孔で吹いて十分なのだが 指孔の抑へがやや辛い
八孔だと指抑へが楽になり 速く演奏し易い

今度弟子と一緒に中国の曲を稽古する事になったが 弟子の
洞簫が六孔なので自分も六孔の物で吹く事にしたのである
伝統的な曲を吹くから これでいいと言ふだけでなく更に積極的な
意味で 六孔を吹く意義を見出した

六孔洞簫を吹くには 下の中指と薬指を拡げねばならない
このための鍛錬が 韓国のテグムや長い尺八を吹きこなすのに
大いに役立つ筈だと気がついたのだ
テグムは指の扱ひが辛くて 半ば諦め状態なのだが未練がある
出来ることなら自分の楽器として吹いてみたい魅力ある楽器だ
また 近々に2尺7寸の尺八が手に入る予定がありそのためにも
指を広げる訓練をしておく必要がある

その意味合ひから指先で抑へるだけでなく 指の付け根でも抑へる
ことも訓練しておきたい
中国管楽器の師匠張暁輝先生は指先で抑へることを強調されたのだが・・・