一節切の音域

① 1月15日 趣味団体「サラ文」新年会
② 1月16日 千笛会月例コンサート

両方の催しで一節切を吹いた
今取り組んでゐる「鳥の歌」と「夢のあとに」の練習である
①では トリでもあったので皆さん一緒に歌ってくださいと言って
最後に「故郷」を吹いた
皆さん協力的で これに合せて歌ってくれたー男性も女性もー
そこで翌日の②では 一節切の用途の実験を意識して 一節切に
合せて歌ふ事が歌ひ易いものかどうかを確かめてみることにした
ここでも結果は男性にも女性にも十分いけることが分かった
常々尺八に合せて歌ふと時には無理筋になることをおぼろげながら
感じてゐたからである

あらためて考へてみると 一節切の音域はハ調の下のラから上の
レまでで 多くの童謡唱歌はこの範囲内に収まるのに対し1尺8
寸の尺八は下のレから上のミまでであり 調子の取り方によっては
苦しい音域になる
このことから 尺八で歌と一緒に吹くときは一節切の音域内で吹く
のが適切だと言ってよいと思ふ
つまり乙のチから甲のシまでとするーせめて乙のレから上の音の
範囲とする配慮が必要と分かる

一節切の標準管が1尺1寸なのは このことと関係があるのでは
ないか
つまり歌と一緒に吹いてゐたからではないか
それが器楽として用ひられるやうになるに従って 一般人の声の
範囲から離れて行って 音域の広い管楽器を求めて長くなり現行の
1尺8寸が標準となったのではないか、