2尺7寸管一ヶ月

弟子が2尺7寸管の尺八を作ってくれた
いつかは長さを活かした演奏を研究したいと思ってきた
腕を伸ばして吹くので 右手の筋肉が痛んでくる
無理をしないで 毎日少しづつ吹くことにしたのは テグムに
対する方針と同じだ
テグムの指使ひにも利するかも知れぬとの思惑もあったが
吹き始めて一ヶ月になるがそれには大して役にたたないやうだ
相対的にやや細身の 歌口にも注文をつけた物を頼んだ
その結果 ほぼ3オクターブの音域がそれ程無理をしないでも確保
できた
短管には短管の味があり 長管には長管の魅力がある筈だと思ふ
から 単に1尺8寸で吹く曲を2尺7寸で吹くのでは芸が無い
まだ確たる考へには到ってゐないが このことを充分に意識して
稽古してゆくつもりである
それでも 一般曲をこれで吹くことにより 経験上から考へて
今まで気がつかなかった発見があるかも知れないといふ期待もある