お家芸

自分の得意の曲・世間にアピ─ルしたい曲は何かと考へたことは
何度もある
主観的には「供養」「虚鈴」「虚霊」「白骨鈴慕」「虚空」など
だが 尺八の世界で言へば「阿字観」「手向」などになるのでは
ないかと意識させられた
そのわけは 9月にチェコプラハで開催される欧州尺八大会で
ジャスティン泉龍が講演と演奏を頼まれ 「阿字観」を吹きたいと
相談してきたからだ
そこであらためて集中的に稽古をつけることにした
我が「阿字観」は宮川如山直系の 一気呵成の吹き方が特徴で
他派で多く見られる のらりくらりの思ひ入れタップリの奏法とは
全く別物なのだ
これは<お家芸>と言っていいのではないかと思ふ
かなりしんどい曲なので滅多に吹かなかったが今度ばかりは看板の
曲だから 最後の稽古の前一週間は 百度吹きをして気合を入れた
状態で教へた