テグムの筒音くを吹く

テグムの手解きと機能の解説を頼まれた
初心者にとっては 音がナカナカ出ないから 機能まで検討するの
は至難のわざだ
それでテグム(大─)のミニチュアとも言ふべきソグム(小─)も
手に入れてもらって すぐ吹けるソグムを使って説明したら
鍵盤楽器の愛好者だけあって 良く理解できたやうだ
普段の練習法として 筒音をユックリ毎日愚直に吹き通すことを
勧めた
この8月に亡くなった篠笛の人間国宝寶山左衛門さんに 鈴法道場
の先輩がかつて篠笛の極意を尋ねたら「筒音を帯のやうに長く吹く」
ことことだと教へてくれた話は旧ブログにも書いた
それで筆者もひたすらそれを実践してゐると話した

筆者は自分でテグムの筒音を完全に出しきれてゐないことは よく
自覚してゐるから必死に取り組んでゐる
何度も書くが トルコの笛ネイの筒音に達するのに半年かかった
音は出るに到ったが 貧弱な音でしかないのは認めざるを得ない

古式の尺八にも同様の事例がある
吹いて吹いてやっと満足できる筒音に辿りつく場合がある
乙の筒音をぶうぶう鳴らして得意になってゐる輩を時々見かけるが
この取り組みの後遺症かもしれない